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わが国は今、過去半世紀もの驚異的発展を支えてきた社会構造や産業構造が、欧米を中心として築かれつつある新しい世界の構造・体制に整合せず、世界の飛躍進歩から取り残されようとする危機に直面しています。資源の少ないわが国は、「科学技術創造立国」以外に繁栄を維持する道がないことは明白であります。科学技術創造立国とは、新技術の創出・実用化・事業化、すなわち新産業の創出を継続して実現していくことであります。未来情報産業研究館は、21世紀初頭のわが国の生命線とも云うべき情報・通信・半導体・ディスプレイ分野において、東北大学が創出した革新的技術に基づく実用化・事業化に賛同する産業界のご支援により建設されました。研究館の建設そのものが研究開発であるという言葉どおり、随所に東北大学を中心に開発された我が国の最先端の英知が結集されており、これは、まさに新技術創出・事業化・新産業創出といった正の連鎖体制を具現化する、21世紀型産官学連携研究開発拠点の手本であります。更なる先進的な技術開発を推進するためには経験と勘によるものではなく、学問に裏付けられた設計技術が必要となり、産官学連携が不可欠で大学の役割が非常に重くなります。未来情報産業研究館で取り組む開発研究は、社会のニーズを的確に捉え、新技術の研究開発とその事業化を同時に並行して行う、いわゆるターゲット・ドリブン・モデルに基づいて執り行われます。わが国が得意としてきた携帯機器、情報通信家電分野の国際競争力を確固たるものにすべく、産官学連携のもと、設計・製造技術を一大革新する開発研究が実践されます。この分野は顧客の好みの変化が極めて激しく、製品のフルカスタム化への瞬時対応力(顧客ニーズ瞬時製品化技術)が求められます。システム性能を圧倒的に向上させるために必要なアルゴリズム・アーキテクチャ・回路・デバイス・プロセス・装置・部品・材料・計測・制御・インフラストラクチャ・ユーティリティのすべてをわが国独自の技術を基に融合一体化した独創的技術として創出していきます。この研究館が他大学・研究機関ならびに産業界等との密接な連携により、情報・通信・半導体・ディスプレイ分野における国内はもとより世界の中心的研究開発拠点になるものと確信しております。
- 規 模:地下1階/地上6階/棟屋
- 構 造:SRC(地下階)/S(地上階)
- 建築面積/延床面積:1,696 m2/ 6,396 m2
- 建物軒高:27.18 m
- プロセスフロア面積 :739 m2/630 m2 (P2/P1)※
- ※いずれもリターンスペース含む
- プロセスフロア天井高:3.8 m/3.5 m (P2/P1)
- ユーティリティーフロア階高:4.0 m (U2,U1)
- 着 工:2000年12月
- 竣 工:2001年11月
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